ゴミが一転収益源 出光、鶏卵の膜や絹くずを商品に
2006年04月03日06時12分
マヨネーズ原料の鶏卵の膜や絹くずなど、天然素材の廃棄物を生かした商品の販売に、石油元売り大手の出光興産が力を入れている。化学繊維や合成皮革にまぜると天然素材に似た肌触りになるとして、車のシートや肌着などに使われているという。燃料油販売は過当競争で収益が低迷しており、出光はリサイクルによる「非石油」品も柱の一つに育てる考えだ。
鶏卵の殻と卵白の間にある膜(卵殻膜)の入手先は、鶏卵の国内消費量の1割(年40億個)を使うマヨネーズ最大手のキユーピー。キユーピーはかつて年2000トン発生する膜の大半を廃棄していた。だが、たんぱく質から成る膜を粉末にして化学繊維に固着させると、吸湿性や肌触りが良くなる有効利用法を発見。粉末化の技術にたけた出光が目をつけた。
出光の販売量は衣服・女性用下着向けが増え、05年度は70万着分と前年度の3倍以上の見通しだ。
絹くずは、絹織物の生産地として知られる京都府与謝野町から購入。粉末状にして車のシートに使われる合成皮革に固着させると、天然風の感触が得られると、国内の50車種が採用。米国や台湾の自動車メーカーにも納入し、今年は欧州への売り込みを本格化させる。
これら以外にも茶葉の活用商品も開発しており、出光はこうした商品の売上高を05年度の30億円から08年度に50億円に増やす計画だ。
《朝日新聞社asahi.com 2006年04月03日より引用》