仏の七面鳥大量死、強毒型インフルと確認
2006年02月25日11時14分
フランス農業省は25日未明、仏東部アン県で起きた七面鳥の大量死は強毒型の鳥インフルエンザ(H5N1型)によるものだった、と発表した。欧州連合(EU)域内で飼育場への感染が確認されたのは初めて。すでに鶏肉の消費減のほか、日本がフォアグラの輸入を停止するなど内外に影響が広がっており、仏家禽(かきん)業界は困惑を深めている。
アン県では18日と22日に、野生のカモの死体から国内初の強毒型ウイルスが検出されたばかり。23日に七面鳥1万羽が死んだ屋内飼育場でも警戒を強めていた。業界団体は、敷きワラに付着した野ガモのフンが感染源との見方を示している。
仏国内では、野鳥への感染が判明した時点で鶏肉の消費が通常より約3割落ち込んだ。業界は、重要な顧客である日本が仏産フォアグラの輸入を止めたことにも衝撃を受け、仏公共ラジオはこのニュースを繰り返し伝えている。
南西部のランド県ではフォアグラ生産などのために飼育しているガチョウとカモ計70万羽に、27日から予防ワクチンの投与を始める。仏政府は、家禽業界に対し5200万ユーロ(約70億円)の緊急支援を決めている。
24日にパリに入った中川農水相と政府要人の会談でも、鳥インフルエンザ対策が取り上げられそうだ。
《朝日新聞社asahi.com 2006年02月25日より引用》