仏で七面鳥1万羽死ぬ 鳥インフルエンザと関連調査
2006年02月24日22時24分
フランス東部アン県で23日、飼育中の七面鳥1万羽近くが死に、保健当局が鳥インフルエンザ(H5N1型)ウイルスの有無を調べている。確認されれば欧州連合(EU)内で鳥飼育場では初の感染。また、大量の鳥が一度に感染するのも初めてだ。現場は国内有数の鶏肉産地で、政府や関係業界に緊張が高まっている。
仏農業省によると、七面鳥が大量死したのはリヨンの北東約20キロにあるベルサイユーの飼育施設。23日朝、400羽が死んでいるのが見つかり、飼っていた1万1000羽の8~9割も同日中に死んだ。全羽が廃棄処分となり、施設から半径3キロが立ち入り禁止となった。強毒性の鳥インフルエンザかどうかは24日にも判明する。
仏では18日と22日、この施設の近くで死んだ野生のカモから初めて強毒性ウイルスが検出された。欧州最大の農業国だけに、国内の家禽(かきん)業者が警戒を強めていた。
アン県は、原産地呼称に保護された欧州唯一の鶏肉「ブレス鶏」の産地として世界の食通に知られる。ブレス鶏は放し飼いによる肉質の良さが売り物で、鳥インフルエンザに感染した野鳥との接触を断つのは難しい。
EU各国では今年に入り、白鳥や野ガモの鳥インフルエンザ感染が相次いで確認された。オーストリアでは22日、野鳥から鶏2羽とアヒル3羽への感染が確認されたが、食用に飼われている鳥への感染例はまだない。
AFP通信によると、野鳥への感染が確認された時点でフランスの鳥肉消費は約3割減った。
《朝日新聞社asahi.com 2006年02月24日より引用》