20060130

耳あかのタイプ、1塩基の違いで決定 長崎大教授ら発表


2006年01月30日

ネバネバか、カサカサか、耳あかのタイプは、ある遺伝子の塩基配列のたった一つの違いで決まることが、新川詔夫(にいかわ・のりお)・長崎大大学院医歯薬学総合研究科教授らの研究で分かった。この遺伝子は、薬剤の代謝や排出と関係しており、将来、耳あかの型が、薬の効果や副作用を予測する一指標になるかもしれないという。29日付の米科学誌ネイチャー・ジェネティクス電子版に発表した。

チームは、大学の関係者ら126人の協力で、耳あかとDNAの違いを比較分析した。「カサカサ型」の88人は1人を除き、「ABCC11」という遺伝子の塩基配列の特定の場所が「A(アデニン)」だった。一方、「ネバネバ型」の38人は、そこが「G(グアニン)」だった。この遺伝子は、薬剤の代謝と関連があると知られており、どんな薬と関係が深いのか、研究を進める。また、遺伝子が特定できたことで、耳あかの「ネバネバ型」と深い関係が知られている腋臭(えきしゅう)症の研究も進みそうだ。

耳あかの型は民族による違いが大きく、日本などアジアでは8~9割が「カサカサ型」で、欧州やアフリカでは9割以上が「ネバネバ型」だ。

 

《朝日新聞社asahi.com 2006年01月30日より引用》

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