茨城の鳥インフルエンザ、過去に人に感染の可能性
2006年01月08日20時40分
茨城県の高病原性鳥インフルエンザ問題で、県内の養鶏場の従業員らが過去に感染している可能性が高いことが分かった。厚生労働省によると毒性の弱いH5N2型で、すでに体内にウイルスがないため二次感染の恐れはないという。同省は従業員ら約400人に対し血液検査などを実施、分析しており、近く調査結果をまとめる。
鶏から人への感染が確認されれば、国内では04年2月に京都府の養鶏場で毒性の強いH5N1型が発生した際、男性従業員に感染して以来となる。
厚労省によると、昨年6月に同県で鶏への感染が発覚して以来、従業員らの血液を採取して分析を続けているが、過去のウイルス感染を示す抗体値が一般の人に比べ高めに出ている人がいるという。ただ、感染と判断する明確な数値基準がないことから、感染者の有無や人数などを、厚労省と国立感染症研究所が今後判断する。
海外では、H5N1型で鶏から人への感染、死亡例が相次いで確認され、新型インフルエンザが大流行する恐れが指摘されている。H5N2型は毒性が弱く、いまのところ感染しても発症していない。
ただ、ウイルスが残っている段階で通常のインフルエンザウイルスと混じりあうことなどで、新型インフルエンザに変異する可能性は否定できず、厚労省は「通常のインフルエンザを発症した人は鶏に近づかないようにするなど、予防対策を心がけてほしい」と呼びかけている。
《朝日新聞社asahi.com 2006年01月08日より引用》