犬の遺伝情報を解読 がんなどの解明に貢献・米グループ
2005年12月08日
ボクサー犬のゲノム(遺伝情報全体)の高精度の解読が完了した。ビーグルなど9品種と遺伝的な違いを比べたところ、イヌのゲノムを構成する塩基約24億個の中で違いは塩基約900個につき1個で、ヒトの個人差と同程度の小ささだった。8日付の英科学誌ネイチャーに発表される。
解読したのは米ハーバード大とマサチューセッツ工科大がつくったブロード研究所と、米国立ヒトゲノム研究所などのグループ。「ターシャ」という名前のボクサーの雌から取ったDNAを調べた。昨年7月に概要版を発表し、今回、詳細な結果がまとまった。ボクサー以外の9品種でもDNAの概要を調べ、はっきりした部分についてボクサーのDNAと比べた。差がもっとも大きいアラスカンマラミュートとは塩基787個に1個の違いがあり、もっとも小さいイタリアングレーハウンドは954個につき1個だった。
イヌの主な死因のひとつはがんで、今回の高精度の解読によってがんに関連する遺伝子の解明が進むと期待される。イヌとヒトのゲノム情報を組み合わせることで、がんを始めとする病気の遺伝的な原因を究明できるという。
《朝日新聞社asahi.com 2005年12月08日より引用》