牛肉の輸入再開容認を答申 食品安全委
2005年12月08日20時20分
- 食品安全委で米国及びカナダ産牛肉などにかかわる食品健康影響評価を報告したプリオン専門調査会の吉川泰弘座長(中央)=8日午後、東京・永田町で
- 輸入牛肉の小売価格の推移
- 牛肉の国内消費量と輸入量の推移
牛海綿状脳症(BSE)発生で03年に輸入が禁止された米国・カナダ産牛肉について、内閣府食品安全委員会は8日、危険部位を除去した若い牛に限り、国産牛と同等の安全性を認める答申を農林水産、厚生労働両省に提出した。輸入解禁を事実上容認するもので、両省が米、カナダ両政府との間で輸入手続きなどを詰め、日本政府は12日に解禁を正式決定する。政治問題にも発展した米国産牛肉問題は、今月下旬には航空便で輸入が再開され、一部外食・小売店頭に並ぶ見通しだ。
答申は、脳や脊髄(せきずい)などの「特定危険部位」を除去した生後20カ月以下の牛の肉について、「日本産とのリスクの差が非常に小さい」と結論づけた。この日の食品安全委の会合では「政府が責任を持って、米国とカナダで輸入条件が守られていることを確認する必要がある」などの意見が出された上で、ほぼ原案通りに答申が了承された。
日本が解禁を正式決定すると同時に、米、カナダ両政府は、日本向けの牛肉輸出業者の認定手続きを開始する。日本からも動物検疫と食品安全の専門家が現地派遣され、業者の認証が正しく実施されているかなどを査察する。ただ、日本が未査察の業者も認証を得ていれば輸出は可能だ。
禁輸前の02年度の輸入量は米国産が約24万トン、カナダ産が約2万トン。両国を合わせた北米産牛肉で輸入量全体の約半分を占めていた。
《朝日新聞社asahi.com 2005年12月08日より引用》