クローン犬が誕生 韓国・ソウル大、猫より低い成功率
2005年08月04日09時15分
クローン技術で犬を誕生させることに韓国・ソウル大の黄禹錫(ファン・ウソク)教授らのグループが成功した。4日付の英科学誌ネイチャーで発表する。クローンではこれまでに羊やマウス、牛やヤギなどが生まれているほか、ペットでは02年に米国で初報告された猫のクローンづくりがビジネスになっている。
アフガンハウンドという種類の3歳の雄犬で、耳の皮膚から取り出した細胞核を、核を抜いた卵子に移植してクローン胚(はい)をつくった。
1095個のクローン胚を123頭の仮親の子宮に戻した結果、2頭の子犬が生まれた。1頭は生後22日で肺炎で死んだが、「スナッピー」と名付けられた1頭は無事に育っているという。
犬はほかの哺乳(ほにゅう)類と比べて成熟した卵子を入手するのが難しく、クローンづくりの壁になっていた。黄教授らは排卵から72時間後、卵管の中で成熟した卵子を取り出したという。
同グループは、人のクローン胚からES細胞をつくることにも成功するなど、クローン技術で先進的な成果を次々に上げている。
クローンマウスを最初に誕生させた理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの若山照彦・研究室長は「成功率が猫などより低く、大幅な改善がなければビジネスとして成り立ちにくいのではないか」と見ている。
《朝日新聞社asahi.com 2005年08月04日より引用》