米のBSE感染牛、2例目確認 初の米国産牛か
2005年06月25日09時15分
ジョハンズ米農務長官は24日記者会見し、牛海綿状脳症(BSE)の感染が疑われていた牛について、検査を依頼していた英国の研究所が感染を確認した、と発表した。03年12月に見つかった感染牛に次ぎ、米国内では2例目。一例目はカナダ産で米国に輸入された牛だったが、今回は「現時点では輸入されたという根拠は何もない」(ジョハンズ農務長官)としており、米国産牛としては初の感染例になる可能性が高い。
詳細な月齢などは未確認だが、少なくとも生後8年以上たっているという。ジョハンズ長官は「現在、日本と貿易再開について協議しているのは月齢20カ月以下の牛。今回の牛とは大きく異なり、日米協議に影響はない」と述べた。ただ、米国産牛肉の安全性についての日本の食品安全委員会の審議が長期化する可能性もある。
米農務省によると、今回感染が確認された牛は昨年11月に処理された際、歩行できない状態だった。食用にも飼料用にも流通していないという。同省は感染牛の生産・生育地や生まれた年月などを特定するため、DNA検査などを進めている。
この牛は昨年11月にBSEについての簡易検査で陽性となった後、IHCという方法による確認検査で陰性とされていた。今月初旬、農務省監査官の要請で、保存していた組織を使ってウエスタンブロット法という別の方法による確認検査を実施したところ陽性となったため、標本を英国の研究所に送るなどして最終的な確認をしていた。
今回の結果を踏まえ、米農務省は今後、確認検査には日欧と同様、IHCとウエスタンブロットの両方を使い、一方で陽性になれば感染牛と判断することにした。
同省は昨年6月から、対象頭数を大幅に拡大したBSE検査を実施中で、これまでに約38万8000頭を検査した。今回の感染牛を含む3頭が簡易検査で陽性となったが、IHC検査では3頭とも陰性となっていた。今回、他の2頭についてもウエスタンブロット法で検査したが、ともに陰性だったという。
《朝日新聞社asahi.com 2005年06月25日より引用》