20050607

排卵酵素突き止める、仕組み解明に手がかり 北大教授ら


2005年06月07日10時17分

メスが排卵するとき卵巣で働く酵素を高橋孝行・北海道大教授らがメダカで突き止め、6日の米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。ヒトなど哺乳(ほにゅう)類でも同様の酵素が働いているとみられ、なぞの多い排卵の仕組みを解明する手がかりになりそうだという。

メダカは照明時間など飼育環境を調節すると、毎日決まった時間に卵を産む。高橋さんたちは、排卵直前のメダカの卵巣を取り出し、どんな酵素が働いているか調べた。

排卵するときは、卵巣の表面の膜が溶けて中から卵が出てくる。卵を包む固い膜や卵巣の表面に作用するのは、3種類のたんぱく分解酵素だとわかった。

卵が未成熟のうちは、これらの酵素の働きを抑えるたんぱく質を卵自身が作り、排卵が起きないようにしていた。

自然科学研究機構基礎生物学研究所の長浜嘉孝教授(生殖生物学)は「類似の分解酵素はマウスやヒトでも見つかっており、哺乳類も同様の仕組みで排卵が起きている可能性が高い」と話している。

 

《朝日新聞社asahi.com 2005年06月07日より引用》

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