20050425

ヒトES細胞、アジアの協力ネット設立へ 日中韓など


2005年04月25日09時35分

人体の様々な細胞のもとになり難病治療に役立つと期待されるヒト胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究で、日中韓などアジア太平洋地域の協力ネットワーク計画が動き出した。京都大再生医科学研究所の中辻憲夫所長が発表した。共同の研修や技術協力を進め、将来はヒトES細胞の交換も視野に入れている。

参加するのは日中韓のほかシンガポール、オーストラリア、台湾、香港の計7つの国・地域でES細胞研究を率いている研究者。京都市内で18日に準備会合を開き、基本合意した。今秋に正式発足させる見込みだ。

韓国ソウル大がヒトのクローン胚からES細胞を作るなど、この地域での再生医学に向けた研究は活発。各国・地域ではヒト胚を扱う倫理規定を整備する一方、多額の研究費を投入している。

準備会合に参加した中辻所長によると、京都大では由来となった受精卵の違いで、3系統のヒトES細胞株が作られている。一方、韓国では30株以上が作られているという。株によって個性があり、様々な株を利用できた方が研究が進むため、交換を望む声は多い。ただ、各国・地域で利用条件が異なるため今後、調整が必要という。

中辻所長は「将来、相互利用できるルールができればいい。まず、お互いに技術の工夫を教えあって、アジア太平洋地域の研究を発展させたい」といっている。

 

《朝日新聞社asahi.com2005年04月25日より引用》

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