「万能細胞」から大脳細胞 理研、マウスで成功
2005年02月07日
いろいろな細胞に育つ能力があるマウスの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)から、大脳の元になる細胞を作り出すことに、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の笹井芳樹グループディレクターらが成功した。ハンチントン病など大脳細胞の遺伝子異常で起きる病気の研究に応用できそうだ。米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンスの電子版で7日発表する。
ES細胞は「万能細胞」とも呼ばれる。これまでに中脳の細胞に育てた例はあるが、大脳細胞はうまくできなかった。笹井さんらは新しい培養方法を考案し、大脳皮質や大脳基底核と呼ばれる部分の細胞を作った。
これらの細胞の遺伝子を改変して病気につながる異常を起こせば、薬の効果を試験管内で調べる実験に応用できる。
笹井さんは「今後1年ほどかけて、人のES細胞からも大脳細胞を作りたい」という。
(02/07 16:43)
《朝日新聞社asahi.com 2005年02月07日より引用》