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病気のヒトES細胞作製、研究者に有償提供 米民間研


2005年01月29日

米シカゴに本拠を置く民間の生殖遺伝学研究所は、ハンチントン病や重い貧血など遺伝性の病気をもつヒト胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を18種類作り、今後、研究者に有償で提供すると明らかにした。ロイター通信によると、同研究所のユーリ・ベルリンスキー所長は、病気のヒトES細胞が広く提供されるのは初めてだとしている。生殖医学の専門誌1月号で発表した。

同研究所は、遺伝性の病気の子が生まれる可能性がある夫婦の受精卵診断を実施している。病気のヒトES細胞は、診断の結果、病気の遺伝子の変異があり、子宮に戻されなかった受精卵をもとに作った。この細胞は体のさまざまな細胞になる可能性を持っており、遺伝子治療や新しい薬など実験的な治療方法を試すために役立つという。

米国では連邦政府が助成した資金によるヒトES細胞の新規作製は禁じられている。同研究所はこの細胞の利用を希望する研究者には、若干の費用を請求するという。

(01/29 22:20)

 

《朝日新聞社asahi.com 2005年01月29日より引用》

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