牛糞からプラスチック原料 水素とベンゼン、北大が成功
2005年01月27日
困りものの牛の糞尿(ふんにょう)を有用な化学原料に変える触媒の開発に北海道大触媒化学研究センターの市川勝教授らが成功、27日発表した。糞尿から発生するメタンガスを、プラスチック原料になるベンゼンと水素に同時に変えるもので、すでに北海道別海町の実証試験施設で安定生産ができることも確かめているという。
メタンを約750度、約5気圧にして市川教授が開発したセラミックス触媒と混ぜると、約15%が化学反応を起こしてベンゼンと水素に変わる。反応しなかったメタンは回収して再利用する。
実証試験では、糞尿から発生する1日約200立方メートルのバイオガスから取り出したメタンをもとに、ベンゼン50キロと水素120立方メートルができることが分かった。
バイオガスはそのままでも燃料になるが、石油化学工業の基幹原料であるベンゼンに変えれば、付加価値が高まる。水素は燃料電池に使える。
市川さんは「処理に困っている糞尿がもつ資源価値をより有効に引き出す技術だ」と話している。
(01/27 23:47)
《朝日新聞社asahi.com 2005年01月27日より引用》