精巣から「万能細胞」発見 再生医療の新たな切り札?
2004年12月29日
さまざまな細胞になる能力をもつ「万能細胞」が精巣の中にあることを、京都大の篠原隆司教授(生殖生物学)らのグループが突き止めた。再生医療への応用が研究されている胚(はい)性幹細胞(ES細胞)と同じ機能を持ち、受精卵から作るES細胞と比べ倫理問題が少ないという。29日発行の米科学誌セルに発表した。
この細胞は、精子のもとになる精子幹細胞を培養する研究のなかで見つかり「多能性生殖幹細胞(mGS細胞)」と名づけられた。ES細胞のように、筋肉や血液、神経などの体細胞や、生殖細胞など、多種類の細胞になりうる。
ES細胞は胎児になる前の細胞を利用するが、mGS細胞は生まれたあとの精巣を使うので、倫理的な問題は少ないという。
(12/29 19:15)
《朝日新聞社asahi.com2004年12月29日より引用》