厳しい「鍋の季節」 鶏卵、野菜なお高値
2004年11月16日
物価の優等生といわれる鶏卵価格が、上昇している。農水省が15日発表した11月第2週(8~12日)の小売価格調査では、平均価格(Mサイズ、10個入りパック)が前週より6円高い196円で、安値だった昨年の11月に比べて28円高い。過去10年間の11月の平均価格に比べても8円高い。冬場は、ケーキ用や、おでんやすき焼きなどの鍋に卵の需要が増える。台風、長雨の影響による野菜価格の高騰と合わせ、消費者の財布には厳しい。
高値の理由を、石原葵・農水事務次官は15日の定例会見で「昨年鶏卵生産が急増し、価格が下落したため、今年は農家が生産を抑えている」と分析した。おでんなど鍋物や、クリスマスケーキ用の鶏卵需要が例年より早めに増加している要因もある、という。
同日に発表された11月第2週の野菜小売価格も高く、全国約470店舗の平均価格は1キロ当たりレタスが1063円で、前年の4.4倍。キャベツは同3.6倍の364円、ハクサイ同3.4倍の344円と、長雨の影響を受けやすい葉もの野菜が軒並み高値となっている。
農水省は野菜価格の高騰を抑えるため、曲がったキュウリや小玉のキャベツといった普通は販売されない不ぞろい野菜の出荷を促し、輸入も促進しているが、「小売価格への効果はまだ当分、表れそうにない」(同省幹部)のが実情だ。
(11/16 06:13)
《朝日新聞社asahi.com 2004年11月16日より引用》