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精子のもとの細胞を体外増殖 米の大学研究班がマウスで


2004年11月6日

米ペンシルベニア大獣医学部の久保田浩司助手らのチームが、マウスの精子のもととなる細胞を培養して増殖させる方法を発見し、米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。男性の不妊症の治療や各種難病の再生医療、絶滅の恐れのある動物の種の保存に役立つ可能性があるという。

男性不妊の中には、精子はできないが、もととなる精原幹細胞は存在している場合がある。しかし、この幹細胞は体外で培養できなかった。

久保田助手によると、精原幹細胞をマウスから取り出し、神経栄養因子の一種「GDNF」に2種類の物質を加えて培養すると、安定して増やせると分かったという。

これを不妊のオスの精巣に移植してメスと交配させたところ、赤ちゃんマウスが生まれた。幹細胞を提供したマウスの遺伝子を受け継いでいることも確認された。

久保田助手は「人間を含むほかの動物の精原幹細胞も、同様の培養方法で増殖させられる可能性があり、不妊治療や種の保存に役立てられる。一方、ほかのタイプの幹細胞づくりの研究にも役立つ」と説明している。

(11/06 16:16)《朝日新聞社asahi.com 2004年11月6日より引用》

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