ヒトの遺伝子ハエと同じ2万2000個 6カ国共同研究
2004年10月21日
ヒトゲノム(人の遺伝情報全体)を詳しく解析した結果、たんぱく質を作る設計図である遺伝子の総数が約2万2000個であることが判明した。従来、約3万2000個と予測されていたのが、大幅に減った。ショウジョウバエと同じぐらいの遺伝子数になる。理化学研究所や慶応大を含む日米英仏独中の国際研究グループが21日付の英科学誌ネイチャーで発表する。
ヒトゲノムの概要版などを基にした従来の予測は、実際にたんぱく質が確認されるなどした遺伝子数約1万5000個に、他の生物との類似性などからコンピューターが予測した数約1万7000個を合算していた。
その後、ゲノム情報の正確さが向上。遺伝子研究が進んで約2万個が既知となり、コンピューター予測分も確実な約2000個に絞り込んだ。2個と数えられていた遺伝子が1個と判明した例や、遺伝子に似ているが、たんぱく質を作らない偽遺伝子だった例もあった。
最近の研究でショウジョウバエの遺伝子数は約2万個とされ、数の上で人とあまり違わないことになる。ただ、一つの遺伝子が数種類のたんぱく質を作ることがあり、遺伝子の使われ方やたんぱく質の複雑な関係が「人間らしさ」を生み出しているらしい。
(10/21 03:16)
《朝日新聞社asahi.com 2004年10月21日より引用》