口の細胞から角膜再生、視力回復に成功 阪大病院
2004年09月17日
患者の口内の粘膜を目に移植して角膜を再生させることに、大阪大医学部付属病院の西田幸二講師(眼科学)らのグループが成功した。角膜の異常でほとんどなかった患者の視力が回復した。16日発行の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表した。
目に薬品を浴びたり、やけどをしたりして角膜が再生不能になると、視力に著しい障害が生じる。片目の障害なら、正常な方の角膜細胞を移植して角膜を再生させることも可能だが、両目では視力を回復させる方法がなかった。
同グループは口内の粘膜が持つたんぱく質が角膜と共通することに注目。患者本人の口の粘膜を3ミリ四方の大きさに切り取り、特殊な培養液を使って直径25ミリの薄いシート状に育て、目に移植した。昨年1月から3月にかけ、4人の患者で移植手術を実施、0.01以下だった視力が15カ月後には0.06~0.8まで回復した。
(09/17 00:07)
《朝日新聞社asahi.com 2004年09月17日より引用》