20040820

豚から鳥インフルエンザ「H5N1」検出 中国


2004年08月20日

中国の研究者は20日、毒性の強い鳥インフルエンザウイルスH5N1が豚から検出されたと明らかにした。北京で開かれた鳥インフルエンザ対策などに関する国際シンポジウムで発表した。AFP通信などが伝えた。豚で感染が確認されれば初めてとなる。

この研究者は中国の鳥インフルエンザ研究機関に所属。03年に福建省の豚からH5N1ウイルスが見つかり、今年に入って別の場所の豚からも検出されたという。

発表では「03年と今年、中国の複数の地域で豚からウイルスを見つけた」としている。詳細は明らかにしなかった。

H5N1ウイルスは今年に入ってベトナムやタイ、中国などで感染が報告され、アジアでは27人が死亡したという。

北京駐在の世界保健機関(WHO)の専門家は、豚に感染したウイルスが変異して人間への感染力を強める可能性があると指摘している。

鳥インフルエンザの豚での感染が注目されるのは、人から人への強い感染力を持つ「新型インフルエンザ」出現につながる恐れがあるからだ。

ふつう、ウイルスを含んだ鶏のふんなどに直接触れない限り、めったに人に感染しない。ところが、突然変異したり、人で流行するインフルエンザウイルスと交じり合ったりして人で流行する力を獲得することがある。

鳥と人両方のウイルスに二重感染した豚の体内で、こうしたことが起きることが実験で確認されている。研究者の一人は「鶏の近くで飼われている豚なら鳥インフルエンザに感染しても珍しくはないが、豚の間で流行しているとなれば事態は深刻だ」と話している。

(08/20 22:19)

 

《朝日新聞社asahi.com 2004年08月20日より引用》

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