20040711

クローン人間作りは「人類に対する罪」 仏が禁止法採択


2004年07月11日

フランス議会は9日、クローン人間作りを「人類に対する罪」として禁止する新しい生命倫理法を採択した。移植用臓器づくりや新たな治療法開発で期待され、日本でも容認へ動き出したヒトクローン胚(はい)作りも明確に禁じた。ただ、クローン胚の有用性について検討は続ける。

AFP通信によると、同法はクローン人間作りには禁固30年と罰金750万ユーロ(約10億円)、治療目的でのヒトクローン胚作りには禁固7年と10万ユーロ(1340万円)を科した。

フランスでは既存の法律を援用し、クローン人間作りやヒトクローン胚作りが事実上禁止されていたが、研究の進展を受けて02年から法制度について広範な見直しが続いていた。受精卵を用いた胚性幹細胞(ES細胞)については、5年間禁止措置を凍結し、研究を許可。新設される政府機関が、研究を監督し、倫理的な問題や医学的な有用性を検証する。

また同法は、存命中に臓器提供を拒否する意思を示していなかった人から、死後に臓器を摘出することを認める条項も盛り込んだ。

ES細胞は様々な治療用の細胞を作れる可能性があり、特にクローン胚から作れば拒絶反応の少ない再生医療が可能になると期待されている。日本では受精卵を用いたES細胞研究は認められている。クローン胚はクローン技術規制法に基づく指針で禁止されているが、総合科学技術会議の専門調査会は6月、容認方針を打ち出した。

(07/11 00:04)

 

《朝日新聞社asahi.com 2004年07月11日より引用》

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