凍結の卵巣戻して妊娠 がん治療で7年保存 ベルギー
2004年06月30日
ベルギーのルーバンカトリック大学病院で、32歳の女性が、がんの治療前に摘出し、約7年間凍結保存しておいた卵巣組織の移植を受けて自然妊娠した。ロイターなどが伝えた。卵巣を移植しての妊娠は世界初という。卵巣の凍結保存技術が確立されれば、がん患者にとって朗報になりそう。ベルリンで開かれている欧州人間生殖発生学会で29日、報告された。
女性は97年に悪性のリンパ腫と診断された。化学治療を受ける前に、片側の卵巣組織を採取して凍結保存した。03年に解凍して移植。4カ月後に月経が戻り、その後、自然妊娠した。10月に出産予定という。
抗がん剤や放射線で治療を受けると不妊になる可能性が高いため、治療前に卵子や卵巣、精子を凍結保存する方法が欧米などで試みられている。
日本でも研究されているが、日本不妊学会は01年、未婚者ががん治療を受ける前に卵子と精子を凍結保存することをめぐって議論。精子では認めたが、卵子については技術が確立していないとして認めなかった。
(06/30 22:53)
《朝日新聞社asahi.com 2004年06月30日より引用》