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ビール酵母がコレステロール抑制 アサヒビール発表へ


2004年05月14日

麦芽などの発酵に使われる「ビール酵母」に、心筋梗塞(こうそく)や糖尿病の原因となるコレステロールを抑える効果があることが、アサヒビールの研究で明らかになった。血液中の白血球の免疫力向上も期待できるという。21日から仙台市で始まる日本栄養・食糧学会で発表する。

実験は、24~69歳の男性37人を2グループに分け、乾燥させたビール酵母を含む錠剤と含まない錠剤(偽薬)を、それぞれ8週間毎日摂取させて経過を観察した。

血液中の脂質を調べたところ、ビール酵母を摂取したグループ(24人)は、肝臓から全身にコレステロールを運ぶ「LDLコレステロール」値が有意に低下し、総コレステロール値も13人で低下した。LDLコレステロールの抑制は動脈硬化防止に効果があるとされ、生活習慣病の予防が期待できるという。

また、白血球が細菌などの異物を排除する能力も、平均69%から73%に上昇した。偽薬を摂取したグループでは、こうした変化は見られなかった。

ビール・発泡酒には通常ビール酵母は含まれず、いくら飲んでも同様の効果はない。劣化を防ぐため濾過(ろか)して取り除いてしまうためだが、同社は「ビール酵母が有用な食品・医薬品素材であることが示唆された。脂質代謝や免疫機能に及ぼす影響をさらに解明し、新たな用途へ応用したい」としている。

(05/14 06:29)

 

《朝日新聞社asahi.com 2004年05月14日より引用》

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