クローン人間の禁止を勧告 米大統領生命倫理評議会
2004年04月02日
米大統領生命倫理評議会は1日、クローン人間づくりの法規制や、不妊治療によって生まれた子供の健康調査などを政府や議会に求める報告書をまとめ、ブッシュ大統領に提出した。米国ではクローン人間づくりへの連邦予算の支出を認めていないが、研究は自由にできるのが現状。
生物学者や法律家、政治学者ら18人のメンバーが、不妊治療と遺伝子操作技術、ヒト胚(はい)研究の現状を調査。先端技術の適正使用や、健康と福祉への影響を監視するシステムがなく、「技術の進歩に規制が追いついていない」と指摘した。
不妊治療に関する基準をつくるため、生まれた子供の健康や発育状態、卵子を提供した女性の健康、着床前受精卵の遺伝子診断の影響などを連邦予算を使って幅広く調べるよう求めた。
先端技術の規制については、▽精子と卵子の結合に基づかない妊娠(クローン人間づくり)▽ヒト胚を動物の体内で育てる試み▽ヒトと動物の融合胚づくり▽臓器づくりなど出産以外での子宮の使用▽胚性幹細胞(ES細胞)の一部を使った妊娠--を法律で禁止するべきだと勧告した。
また、受精から10~14日以降の胚を研究に使ったり、ヒト胚を売買したりすることも禁止する必要があるとしている。
日本では、クローン人間づくりやヒトクローン胚の作製をクローン技術規制法で禁止している。
(04/02 19:42)
《朝日新聞社asahi.com 2004年04月02日より引用》