生物の足の進化、上陸でなく水中移動のため 米で骨発見
2004年04月02日
生物の脚は陸に上がるためではなく、水中で体を支えたり、移動したりするために発達した――こんな可能性を示す両生類の祖先の前脚を、米シカゴ大などのチームがペンシルベニア州の約3億7000万年前の地層で見つけた。最古級の化石の一つで、両生類の進化を探る貴重な資料になりそうだ。2日付の米科学誌サイエンスで発表する。
乗馬用ハフリンガー種の雌馬から皮膚細胞をとり、その核を別の馬の卵母細胞に入れて、胚(はい)を作製。皮膚細胞をとった雌馬の子宮に戻した。 化石は、左前脚の上腕骨にあたる部分(約5センチ)で、L字形をしている。骨の構造や、想像される筋肉の付き具合などから両生類の祖先とみられ、前脚で体を支えたり、頭部を持ち上げたりできたようだ。
グリーンランドで見つかったアカントステガという両生類の祖先(約3億6000万年前)の化石よりも魚類に近く、魚類のひれが前脚に進化する途中の段階と考えられた。
川の浅瀬などで、障害物をよけながら移動する際に役立ったらしい。
研究チームは、同時代の魚類のひれとの比較から、両生類は陸上を歩くために四肢を進化させたのではなく、水中を移動するために発達した脚が後の上陸に役立った、とみている。
(04/02 06:18)
《朝日新聞社asahi.com 2004年04月02日より引用》