米BSE検査頭数、25万~40万に拡大 全体の1%強
2004年03月16日
米農務省は15日、牛海綿状脳症(BSE)対策として、病的な症状が見られる牛の検査頭数を現在の年間4万頭から25万~40万頭に拡大する方針を発表した。これとは別に、生後30カ月以上の健康な牛も、年間2万頭を抽出検査する。検査はBSEの現状を調べるのが目的で、今年6月から1年~1年半かけて行う1度だけの措置。その後の対応は検査結果によって決めるという。
日本が米国産牛肉の輸入再開の条件として求めている全頭検査は実施しない。米国では年間3500万頭の牛が食肉用に処理されており、40万頭を検査しても全体の1%強。米農務省のほか各州や大学の研究施設で検査する予定で、一部の業者が求めている「民間による自主的な全頭検査」は想定していない。米国側は今後、日本に輸入再開を強く求めるとみられるが、日本側が従来の主張を変えなければ、交渉が前進する可能性は低い。
米農務省は、正常に歩けないなどBSE感染の可能性がある症状を示していたり、処分場に運ばれる前に農場で死んだりするなど、今回の検査の対象になりうる牛は年間44万6000頭にのぼると見積もっている。
(04/03/16 10:17)
《朝日新聞社asahi.com 2004年03月16日より引用》