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■カラスからウイルス 京都・鶏感染農場と隣接町

死がいの2羽から


2004年03月08日

京都府丹波町の二つの養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが発生した問題で、府は7日、同町の浅田農産船井農場と、隣接する園部町で死んでいたカラス計2羽からインフルエンザウイルスが検出されたと発表した。船井農場など国内で確認された高病原性鳥インフルエンザウイルスと同じ型かどうか、動物衛生研究所(茨城県つくば市)で詳しく調べる。同研究所によると、これまで国内で同ウイルスが野鳥から検出された例はなく、今回確認されれば、野鳥による感染媒介の可能性が強まる。

府によると、4日から5日にかけて、船井農場の敷地内で2羽、園部町内で離れて2羽のカラスが死んでいるのが見つかった。府中央家畜保健衛生所でこの4羽を簡易検査した結果はいずれも陰性だったが、念のためウイルスの分離検査をした。7日になって、船井農場の1羽と同農場から約10キロ東の園部町内林町の民家前で見つかった1羽の計2羽からウイルスが検出された。高病原性鳥インフルエンザウイルスかどうかは、8日に動物衛生研究所で確認する。

これまで「野鳥などがウイルスを媒介しているのではないか」とされていた。インフルエンザウイルスが野鳥から検出された例はあるが、高病原性と確認されたケースは国内ではない。

府は8日にも、環境省と協力して船井農場周辺でカラスを捕獲し、インフルエンザに感染しているかどうか調べる。周辺の養鶏場などに対しては、消毒の徹底や、鶏舎に防護ネットを張って野鳥との接触を防ぐなどの措置を取るよう呼びかける。鶏肉や卵の半径30キロの移動制限区域を変更する必要があるかどうかについては、専門家の意見を聴いて検討する。

丹波町では、最初に感染が分かった船井農場から北東約5キロの高田養鶏場でも感染が確認されている。ウイルスの型が一致したことなどから、船井農場から二次感染した可能性が高いとされている。

船井農場で感染が確認された後、府は周辺で死んだ野鳥を調べている。1日以降、今回のカラス4羽を含め、メジロ、キジバトなど死んだ計22羽を調べたが、いずれも簡易検査で陰性だった。カラス以外についてもウイルスの分離検査を進めている。

 

《朝日新聞社asahi.com 2004年03月08日より引用》

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