北海道の牛がBSE感染 国内11頭目、死亡牛検査で初
2004年03月08日
農林水産省は7日、北海道標茶町の農場で飼育され、けがで殺処分された乳牛(7歳10カ月)が、牛海綿状脳症(BSE)に感染していたと発表した。国内でBSE感染牛が見つかったのは11頭目。これまでの10頭はすべて食肉処理される段階などで見つかっており、飼育中に死亡した牛のBSE感染が分かったのは初めて。
この牛は食肉加工されないため、流通することはない。
農水省によると、標茶町の農場にいたこの牛は今月3日、転倒して股関節脱臼し、治療困難と診断された。4日に殺処分され、帯広市の十勝家畜保健衛生所で実施したBSEの1次検査で陽性反応が出た。動物衛生研究所(茨城県つくば市)で精度の高い確定検査をしたところ、7日、BSEと判定された。
農水省は9日に専門家の小委員会を開き、最終的な確定診断をする。
この感染牛は96年4月生まれで、これまでもBSEが多く見つかっていた時期と重なる。けがをするまでは自立不能などBSE特有の症状は示していなかったという。
北海道は農場に対し、飼育する約160頭の移動自粛を要請している。農水省も、感染牛に与えられていた餌や、一緒に育てられていた牛などの調査を進める。
飼育中に死亡した牛を対象にした検査は昨年4月から順次始まっている。農水省は「死亡牛検査からBSEがいずれは出ると考えていた。発生予防策などの新しい手がかりにつながると思う」としている。
(03/07 19:09)
《朝日新聞社asahi.com 2004年03月08日より引用》