20040218

大分のチャボ、鳥インフルエンザ確認 H5型のウイルス


2004年02月18日

大分県九重(ここのえ)町で飼育されていたチャボが高病原性鳥インフルエンザに感染した疑いがあるとされた問題で、農林水産省は17日、このチャボから鳥インフルエンザのウイルスが検出された、と発表した。国内で高病原性鳥インフルエンザが確認されたのは、1月の山口県阿東町に次いで戦後2件目となり、農水省などは新たな発生を受け、感染源や感染経路を調べる方針だ。一方、山口県では新たな発生が見られないため、18日に同県が「終息」と確認する予定だ。

感染が確認されたのは、九重町役場からも近い製材所で飼われていたチャボで、13羽中7羽が死んだ。

16日夜、大分県から農水省に「疑わしい例がある」と連絡があり、茨城県つくば市の動物衛生研究所で17日に、死んだチャボ1羽を検査。その結果、H5亜型のA型インフルエンザウイルスが検出され、高病原性鳥インフルエンザと確認された。

同研究所は今後、このウイルスが、山口県やアジアで感染が広がったH5N1型かどうか分析を続ける。またH5型には毒性が強いタイプと弱いタイプの2種類があるといい、その分析には10日間ほどかかるという。

大分県は製材所にいた残りのチャボ6羽と、共に飼っていたアヒル1羽をすべて焼却処分にした。また、家畜伝染病予防法に基づき、17日に発生場所の消毒をしたほか、半径30キロ以内の養鶏農家に対し、鶏卵と鶏の移動を禁止するなどの防疫措置をとった。熊本県内の4町2村もこの範囲に含まれることから、同県も同様の移動禁止措置をとった。

さらに、チャボの飼い主やその親族、処理にあたった県職員らに対し、大分県は16、17日に健康調査をしたが、今のところ異常はないという。

山口県での発生が報告された後の1月中旬、大分県は、同県内の養鶏業者ら138戸を対象に聞き取り調査をしたが、この中からは異常は発見されなかったという。両県は周防灘をはさんで向き合っているが、それぞれの感染例について、農水省は「今のところ特に関連は見当たらない」としている。

(02/18 00:24)

 

《朝日新聞社asahi.com 2004年02月18日より引用》

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