大分で鳥インフルエンザ発生か 愛玩用チャボ7羽死ぬ
2004年02月17日
大分県九重(ここのえ)町で飼育されている鶏が高病原性鳥インフルエンザに感染した疑いがあるとして、農林水産省は17日、死んだ鶏の検体を茨城県つくば市の動物衛生研究所に送り、最終的な確認検査をしている。感染の疑いがあるのはいずれもチャボで、13羽中7羽が死んでいた。製材所でペットとして飼われていたという。確認されれば1月の山口県の養鶏農家に次いで戦後2件目となり、国内での発生が広がっていることになる。
鳥インフルエンザの発生が疑われているのは、JR久大線引治駅前にある製材所。九重町役場にも近く、民家が点在している。同省などによると、飼い主から14日に「3羽が突然死んだ」と連絡があった。さらにその後も4羽が死んだと連絡してきた。同県が16日夜、農水省に報告した。
大分県によると、これらの鶏は県の簡易検査で鳥インフルエンザに対する陽性反応が出た。残りの6羽と、共に飼っていたアヒル1羽は県が焼却処分にした。製材所の近くに住む男性によると、17日、製材所に保健所の職員らが訪れ、消毒作業にあたったという。男性も体温などの検査を受けた。大分県は山口県の例に倣い、半径30キロ以内の養鶏農家に卵と鶏肉の移動停止を要請する方針。
大分県は鳥インフルエンザが発生した山口県とは周防灘をはさんで向き合う。鳥インフルエンザは野鳥などを介しても感染する可能性がある。このため、大分県は1月中旬、県内の養鶏業者138戸を対象に聞き取り調査を実施した。採卵向け75戸と肉用向け63戸の計138戸の養鶏場を対象とした聞き取り調査だったが、その時は異常のある鶏は発見されなかったという。
鳥インフルエンザを巡っては、1月に山口県阿東町の採卵養鶏場の鶏からウイルスが検出された。ベトナム、タイ、中国などで感染が広がり、死者も出ている。
山口県阿東町で発生した高病原性鳥インフルエンザ問題では、同県が発生農場から半径30キロ内で鶏の移動を禁止。同区域で実施していたウイルス分離検査などをした結果、異常はなかったと発表した。この結果を踏まえ、農林水産省は今後も新たな発生を疑う兆候がなければ、19日にも移動制限を解除、県も18日にも終息宣言を出す予定にしている。
(02/17 13:47)
《朝日新聞社asahi.com 2004年02月17日より引用》