思春期迎える遺伝子を発見 米英の2チーム
2003年10月23日
思春期を迎えるために欠かせない遺伝子を、米英の研究チームがそれぞれ見つけ、米ニューイングランド医学誌23日号に発表する。
米マサチューセッツ総合病院やハーバード大などのチームは、生殖器の発達が不十分になる性腺機能低下症に注目。同症の家系を調べた結果、19番染色体にあるGPR54という遺伝子の異常が発症にかかわっていることを突き止めた。
英ケンブリッジ大などのチームは、生まれつきGPR54が働かないマウスをつくった。その結果、生殖器が十分に発達せず、思春期を迎えられないことが分かった。
脳の視床下部が性腺刺激ホルモンを放出させるホルモンを分泌し、男女の性がそれぞれ発達していくのが思春期。GPR54に異常があると、この放出ホルモンがうまく働かなくなるとみられる。
研究を支援した米国立小児保健発育研究所(NICHD)のアレクサンダー所長は「正常な性の発達の複雑な仕組みの理解につながる重要な成果だ」と評価した。
(10/23 10:18)
《asahi.com 2003年10月23日より引用》