「新型なら対応考えねば」EU、日本のBSE感染を注視
2003年10月07日
BSEに感染した疑いがある生後23カ月の牛が見つかったことについて、欧州連合(EU)欧州委員会のヨハン・ライネス報道官(食品安全担当)は6日、「もし新型と確認されれば、対応を考えねばならない」と注視する姿勢を見せた。
フランスの食品衛生安全庁(AFSSA)のマルク・サベイ動物衛生福祉部長は「ほかにも同様の牛が日本にいる恐れがある」と警戒するが、一方でまだ慎重な見方も多い。「日本から得た情報では、問題の牛に対する検査で陰性を示すデータもあり、さらに調査が必要ではないか」(ロンドン大のピーター・スミス教授)、「感染経路などを確認し、正確に評価すべきだ」(EUに助言する科学運営委員会のオステンハウス副委員長)などの声もある。
EUは00年当時、発症例が3歳以上の牛にみられたことから逆算して生後30カ月以上に対してBSE検査をするよう各国に義務づけた。欧州委員会によると、生後30カ月未満の発症例はこれまでに52例。うち英国が49例を占め、生後20カ月と21カ月が各1例、24カ月が8例、残りが25~29カ月だった。英国以外では、ドイツに2例、ポルトガルで1例発見されている。
英仏独では、検査対象が24カ月以上と厳しくされている。また、EU内では、12カ月以上の牛の脳や骨髄の消費を禁ずる法規制があり、消費者はその規制で守られている側面が強い。それもあって、今回の日本の報告がすぐに欧州の制度見直し論議につながるわけではないという。
(10/06 23:08)
《朝日新聞 2003年10月07日より引用》