20030827

肉類など除き原則関税撤廃へ メキシコとのFTAで日本


2003年08月27日

メキシコとの自由貿易協定(FTA)交渉の焦点である農業分野で、日本政府は26日、関税撤廃品目の候補を決めた。メキシコが要望する豚肉など一部肉類を除く代わり、ほかの農産品は原則全面撤廃する。農業以外でも、皮革で一部を撤廃する方向。大幅譲歩をアピールしてメキシコ側の理解を得たい考えだ。

対日輸出で関税のかかる農産品約1400のうち、メキシコは関税撤廃対象として、470品目(農水省所管分)の希望リストを提示。同省は「国内生産者への影響が大きすぎる」とする豚肉など、多くの品目で難色を示してきた。

調整の結果、豚・牛・鶏肉と関連製品の計約60と、メキシコの要望リストから外れる可能性のある品目などを除外。これに対し、野菜や果実、コーヒー、卵など、重要度の高い品目も含む残る約300品目で、関税を撤廃する方針を決めた。

水産物(対日輸出額約50億円)は国内業者への影響が大きいイワシのような輸入割当品目などを除外して撤廃。林産物(同2億円)は全品目を撤廃する。また各分野で、輸入急増に備える制限措置や、関税撤廃の経過期間も設けたい考えだ。一方、経産省も鉱工業品で、一部皮革製品・履物の撤廃を検討中だ。

農業分野は各国のFTAでも扱いが難しい。ただ、メキシコは日本初の本格的なFTAの相手国になるだけに「小出しにせず、ギリギリの回答」(同省幹部)をアピールして譲歩を求めたい狙いもありそうだ。

ただ、メキシコ側の豚肉の撤廃要望は引き続き強いとみられており、今後も厳しい交渉が予想され、政治判断になる可能性もある。

(08/27 06:27)

 

《朝日新聞社asahi.com 2003年08月27日より引用》

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