「老化抑える物質発見」と米研究チーム 酵母では確認
2003年08月26日
老化を抑える画期的な物質を見つけたと、米ハーバード大などの研究チームが英科学誌ネイチャー(電子版)の最新号に発表した。「寿命を延ばす薬につながる可能性がある」と米メディアが詳しく報じた。ただし、実験で寿命延長を確認したのは酵母。本物かどうかは、今後の研究結果を待つ必要がありそうだ。
カロリー制限で寿命が延びることは動物実験で知られている。研究チームは、このときと同じ反応を生体内で起こす物質を赤ワインの成分中に見つけた。ポリフェノールの一種で、酵母を使った実験では通常より70%も寿命が延びた。ショウジョウバエでも効果が見られ、年内にネズミの実験を始める。
25日付ニューヨーク・タイムズ紙は「人間でも30~50%は寿命が延ばせるかもしれない」という研究チームの見解を紹介。同日付ワシントン・ポスト紙も長寿薬につながる可能性を指摘した。ただ、両紙とも「老化の仕組みは複雑で、そう簡単に寿命は延ばせない」という専門家の慎重論も付け加えた。
老化抑制の薬は関係企業の株価に大きく影響する。このため、ネイチャー誌はマスコミ向けの事前発表時、インサイダー取引をしないよう異例の警告をした。
(08/26 10:59)
《朝日新聞社asahi.com 2003年08月26日より引用》