イネの遺伝子3万2千個突き止める 理研など研究チーム
2003年07月18日
理化学研究所など日本の研究チームが、イネの遺伝子約3万2000個を突き止めた。イネの中で働くたんぱく質を作る重要な遺伝子をほぼ網羅しているという。10月から遺伝子を希望する研究者に実費で配り、たんぱく質の機能解明、作物の品種改良などに役立ててもらう。18日発行の米科学誌サイエンスに論文が載る。
研究チームは理研のほか、生物系特定産業技術研究推進機構、農業生物資源研究所、国際科学振興財団。
昨年12月に小泉首相が宣言したイネゲノム(全遺伝情報)の完全解読は、意味のない部分も含む4億対の全塩基の配列だけを明らかにしたものだ。今回は、イネの生命活動に必要なたんぱく質を合成する主要遺伝子をゲノム上で見つけ、遺伝子ごとの塩基配列を解明した。イネの全遺伝子は5万~6万個と推定される。
解析が進めば、味、病虫害の耐性、成長速度などを左右する遺伝子の特定も期待できる。イネ遺伝子は小麦やトウモロコシと共通する部分も多く、今回の成果が応用できる範囲は広い。
《朝日新聞社asahi.com 2003年07月18日より引用》