運動せずに脂肪燃やす 開発のカギ、細胞の仕組みを発見
2003年06月12日
運動しなくても脂肪を燃やす薬を開発するカギとなる細胞の仕組みを、東京大学の門脇孝・助教授、山内敏正医師(糖尿病代謝内科学)らが明らかにし、12日発行の英科学誌ネイチャーに発表した。重度肥満による糖尿病の治療につなげたいとしている。
見つけたのは、ホルモンの「アディポネクチン」が結びつく細胞の受容体。両者が結合すると、脂肪の分解を促進する酵素が活発になる。
アディポネクチンを生体に投与するには、注射で直接、血液中に入れる必要がある。このため同グループは、治療に使いやすい飲み薬として体内に入ったとき、同様の働きをする物質を開発中。結合相手の受容体を発見したことで、研究が大きく進むと期待している。
門脇助教授は「糖尿病の中で肥満が原因のものは、食事療法と運動が重要。だが肥満の人は、ひざに負担がかかって運動できない場合も少なくない。そうした人たちのために、運動しなくても脂肪を燃やす薬を開発したい」と話している。
《朝日新聞社asahi.com 2003年06月12日より引用》