20030510

凍結受精卵、全米で40万個 不妊治療で多めに保存


2003年05月10日

全米の医療施設に、約40万個もの受精卵が凍結保存されていることが分かった。不妊治療の成功率を上げるため受精卵を多めにつくる傾向があり、全体量が急激に増えている。今後、余った受精卵の取り扱いが問題になる恐れもある。

米国の不妊治療の専門家らでつくる生殖補助技術協会が、全米の不妊治療施設430カ所を調査した(未回答の90施設は推定値)。その結果、凍結保存中の受精卵の合計は、従来の推計を大きく上回り39万6000個以上にのぼった。

このうち、当事者の了解を得て研究用に保存しているものが3%、処分予定と他人への提供予定のものが各2%、保存状況の確認用が1%で、進行中の不妊治療のためのものが90%近くだった。

ただ、治療を受けていた人があきらめて治療施設から足が遠のき、施設が受精卵を処分できないまま「進行中」扱いになっている例も多いと見られる。受精卵の処分は、当事者の了解がないと難しい。

不妊治療では、何度も卵子を採取しなくてすむよう、複数の受精卵をつくって凍結保存しておくのが一般的。成功率を上げるため、少しでも状態の良いものを選んで着床させようと、多めに受精卵をつくる傾向が強まっているという。

 

《朝日新聞社asahi.com 2003年05月10日より引用》

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