乳歯の中に幹細胞を発見 米で発表
2003年04月22日
抜け落ちた乳歯の中に、歯や骨、神経など幅広い細胞に変身する能力を秘めた幹細胞が見つかった。米国立保健研究所(NIH)の研究チームが21日、米科学アカデミー紀要のオンライン版に発表した。
幹細胞が見つかったのは、乳歯の内部の歯髄という部分。ここの組織を培養した結果、乳歯1本当たり12~20個の幹細胞を分離できることが確かめられた。
培養する環境を変えてやると、歯の細胞にもなれば骨の細胞にもなる。また、細胞表面のたんぱく質の特徴から見て、神経や脂肪の細胞に変身する能力をもつ可能性も大きいという。
一般的に乳歯は20本あり、生後6カ月くらいに生え始める。6~12歳で永久歯に生えかわるのがふつうだ。研究チームは「へその緒に含まれる幹細胞と同じく、母胎内で体が形成されたときの名残だ。さらに詳しく調べたい」という。
《朝日新聞社asahi.com 2003年04月22日より引用》