肝臓からインスリン、マウス実験で成功 滋賀医大など
2003年04月21日
マウスに遺伝子治療をして、肝臓からインスリンを分泌させる実験に滋賀医科大と米ベイラー医科大の共同研究グループが成功した。将来、インスリンが正常に分泌されない糖尿病患者の治療に応用できるという。21日付の米医学誌ネイチャー・メディシン電子版で発表した。
滋賀医大の小島秀人医師(内科学)によると、実験には糖尿病の性質をもつマウスを使った。インスリンは本来、膵臓(すいぞう)内の組織から分泌される。膵臓に関係する遺伝子をマウスの肝臓に入れる実験をしたところ、肝臓の中でインスリンを分泌する組織ができた。正常な血糖値を120日以上維持したという。
小島医師は「インスリンを分泌する組織を作り、長期間、分泌を維持できたのは世界でも初めてではないか」と話している。
《朝日新聞社asahi.com 2003年04月21日より引用》