「SARSウイルス」と命名 WHOが新型肺炎で断定
2003年04月16日
世界保健機関(WHO)は16日、東アジアを中心に多数の死者を出している新型肺炎の重症急性呼吸器症候群(SARS)は、新型のコロナウイルスが原因と確認されたと発表。「SARSウイルス」と名付けた。日本を含む各国の専門家をジュネーブに招集し、オランダ・エラスムス大によるサルの感染実験などをもとに検討し、断定した。
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病原体が断定されたことで、流行地への旅行を避けたり患者を隔離したりといった「守りの対策」に加え、ワクチンの開発など「攻めの対策」が可能になる。WHOがSARSの警戒情報を出してから1カ月余。未知の病原体がこれほど早く確認されたのは、感染症対策史上、初めてだ。
SARSウイルスはすでにRNAの塩基配列も解読され、世界各国の研究機関が協力して対策確立を目指している。
病原体の特定を受け、厚生労働省はSARSを「指定感染症」に指定する。強制入院などの措置をとる際、患者ごとに厚生労働相の指導を受ける手続きは不要で、機動的に対応できる。
《朝日新聞社asahi.com 2003年04月16日より引用》