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「DNAブック」で遺伝子を本棚に保存 配送など便利に


2003年04月16日

多種類のDNAを紙に吹き付けて「サンプル帳」とし、本棚や引き出しで保存できる「DNAブック」を開発した、と理化学研究所が16日に発表した。最短でも1年ほど保存でき、宅配便での発送も可能。実験に使う時は必要な部分を切り取って溶液に溶かし、増殖させる。DNAの保存や輸送は極低温で行われてきたが、中短期間ならこの手法でも耐久性は十分と分かった。「手軽で画期的な手法」としている。

理研は、マウスの遺伝子約6万種を遺伝子バンクとして保有し、研究機関などからの求めで配送している。現状では発送まで手数がかかるため、利用者が手にするまで数週間を要し、到着後も零下80度以下に冷やせる冷蔵庫で保存してきた。DNAブックは、これらの遺伝子を微量ずつ、紙の4ミリ角のマス目に吹き付けて本の形にとじたもの。紙は水溶紙で、吹き付けた試料がにじんで互いに混じらないようにしてある。理研の林崎良英・主任研究員らが開発し、特許も取得ずみ。

来月、米の専門誌に発表するが、論文に実際に数種の遺伝子を添付して、研究者らに便利さを実感してもらう計画だ。

 

《朝日新聞社asahi.com 2003年04月16日より引用》

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