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食肉公社で処理、常陸牛を初輸出 タイ・ベトナムへ /茨城県


2016年10月13日

食肉処理施設・県中央食肉公社(茨城町)で処理された常陸牛が11日、初めて海外に輸出された。公社でタイやベトナムの衛生基準を満たす処理ができるように態勢を整備したためだ。関係者は地元で食肉処理ができることから、輸出拡大に期待を寄せる。

 

県畜産課によると、常陸牛の輸出が始まったのは2014年秋から。タイやベトナムは経済発展で富裕層が増え、和牛が人気を集めているという。常陸牛の輸出量も14年度は約400キロだったが、15年度には約1800キロに拡大した。これまで、県内の畜産農家がタイやベトナムに輸出する場合、基準を満たした食肉処理施設がある東京都内まで牛を運んでいた。

常陸牛は認知度が上がり、国内の需要も右肩上がりだ。出荷頭数は03年度の2220頭から15年度は4倍超の9789頭に。取り扱う販売店や飲食店も、04年3月時点の173店から、16年3月は511店と大きく増えた。1頭あたりの肉量の多さや使いやすいロースの面積が広く、卸売業者からは好評という。

11日に県中央食肉公社であった常陸牛の出発式では、生産者らでつくる県常陸牛振興協会の関係者らが集まった。川津修会長は「海外は和牛ブームで販売競争が激化している。差別化を図るため、常陸牛はエサに納豆菌を混ぜて健康維持にこだわっている。それをPRし、海外でもブランド力を高めていきたい」。

出荷された常陸牛のうちベトナムには約1200キロが横浜港から船で、タイには約200キロが成田空港から飛行機で輸送され、レストランやスーパーに並ぶ見通しだ。

国内の売れ行きは好調だが、人口減で国内消費が減っていくのを見越し、関係者は輸出で常陸牛の販路を確保しておきたい考えだ。(福地慶太郎)

 

【写真説明】

輸出される常陸牛を載せたトラックを見送る関係者ら=茨城町の県中央食肉公社

 

《朝日新聞社asahi.com 2016年10月13日より抜粋》

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