ヒトの精子、花の香りに誘われて泳ぐ 独大グループ発見
2003年03月28日
ヒトの精子は花の香りに誘われて泳いで行く――。独ルール大などの研究グループが、精子にこんな性質があることを実験で突き止めた。28日発行の米科学誌サイエンスに発表する。
精子の表面には、鼻の奥にあるようなにおいのセンサーがある。グループは、どんなにおいに反応するのか、香料のもとになる約100種類の物質を使って研究した。
その結果、花の香りを出すのに使われる物質に最も強く反応することがわかった。容器に精子を入れ、これを細い管で注いだところ、精子はその方向に向かって泳いだ。
また、グループはこの働きを邪魔する別の物質も確認。これをその容器に入れると精子の方向はばらばらになった。
卵子など女性側に花のような香りを出すものがあるかどうかは不明だが、受精の仕組みの解明や、不妊治療に役立つ可能性がある。さらに香りの働きを邪魔する物質を使った避妊法の開発につながるかも知れない。
《朝日新聞社asahi.com 2003年03月28日より引用》