20030325

食糧増産に光明?成長操る新たんぱく質発見 名大教授ら


2003年03月25日

食糧増産のカギとなる可能性がある新しいたんぱく質を、名古屋大学生物分子応答研究センターの松岡信教授らのグループが見つけた。21日発行の米科学誌サイエンスに掲載された。

松岡さんらはイネなどを通して、植物の背が伸びる仕組みの解明に取り組んでいる。イネは背が高くなりすぎると、風の影響を受けて倒れてしまう。肥料を与えても背が伸びなければ、風に強いうえ栄養が稲穂に回り、増産への道が開ける。

今回、見つかったのは「GID2」というたんぱく質。植物は自らの背が伸びるのを抑える「ブレーキたんぱく」を持っているが、ジベレリンという植物ホルモンと出合うと、このブレーキがはずれてしまうとされている。松岡さんらは、GID2がこのブレーキをはずす役割を果たしていることを突きとめた。

GID2が働かないように遺伝子を操作すれば、ジベレリンと出合ってもブレーキがはずれにくくなり、肥料をたくさん与えても背が伸びすぎないイネやムギなどをつくることができる。

 

《朝日新聞社asahi.com 2003年03月25日より引用》

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