遺伝子組み換え、微生物に指針 コーデックス委部会閉幕
2003年03月14日
遺伝子組み換え食品の国際基準をつくるため横浜市で開かれていた食品規格委員会(コーデックス委員会)バイオテクノロジー応用食品特別部会が14日、微生物についての指針案をまとめ閉会した。00年から日本で開いてきた同部会はこれで終了。6月末からローマで開かれる委員会総会で採択される。同委員会は国連食糧農業機関と世界保健機関が設立した政府間組織で、決まった規格は世界貿易機関(WTO)の裁定の基準になる。
遺伝子組み換え微生物は、乳酸菌や酵母などで、パン、酒、みそ、ヨーグルトなどの発酵性をよくしたり香りを高めたりする研究が進んでいる。指針は、組み換え対象はこれまで食品に安全に使用されてきた微生物に限る▽食べたヒトの消化管内での生存能力や腸内細菌に及ぼす影響を評価する、などで一致した。
組み換え微生物食品はまだ流通しておらず国内基準はない。厚生労働省は「指針と整合性のある安全性審査方法を検討していく」という。組み換え食品に反対する市民団体は、微生物は生きたままヒトの腸に届くことや、環境への拡散のおそれを問題視している。
《朝日新聞社asahi.com 2003年03月14日より引用》