「牧羊の国」ニュージーランドのヒツジ、20年で半減
2003年02月23日
「牧羊の国」ニュージーランドでは、ヒツジの数が最盛期には人口の20倍を超えていたが、ここ20年間で半分近くにまで減ったことがわかった。80年代半ば以降の行財政改革による産業構造の多角化などが背景にあるとみられる。
政府の最新統計によると、飼育ヒツジは20年前は7千万頭余り(当時の人口320万)いたが、その後減り続け、昨年6月時点では3920万頭にまで減少した。それでも現人口380万の10倍強。まだ「牧羊国」には変わりはない。
ヒツジ半減は農業補助金制度の廃止や若者の農業離れ、ビジネス志向などが後押ししたようだ。農業省担当官は「林業の優遇税制導入で牧羊に適した丘陵地でも植林が進み、世界的な木材需要に応えて高収益を得ようという傾向も牧羊減を促した」と分析している。
《朝日新聞社asahi.com 2003年02月23日より引用》