新たなアミノ酸作る大腸菌を作成 米のグループ
2003年02月16日
生物が生きていくのに欠かせないたんぱく質を作るアミノ酸。生物はふつう、20種類作っているが、米国の研究グループは、21種類目のアミノ酸を作るよう遺伝子を操作した大腸菌を作製した。新たなアミノ酸を作る微生物を人工的に作ったのは初めて。
スクリプス研究所やカリフォルニア大バークリー校などのグループが、米化学会誌に発表した。
生物はDNAの遺伝情報をもとにアミノ酸を作ってたんぱく質を合成する。ほとんどの生物は20種類のアミノ酸を使う。
グループは大腸菌の遺伝子を操作、p-アミノフェニルアラニンと呼ぶアミノ酸を新たに作り出せるようにした。技術的にはほかのアミノ酸も作れるという。
同研究所のピーター・シュルツ教授(化学)は「なぜアミノ酸が20種類なのか、21種類目を持つ生命がどんな利点を持つかなどが調べられる」とコメントしている。
アミノ酸の種類が増えることで医薬品などに応用できるたんぱく質生産につながると期待される一方で、危険な生物など予想もしない悪影響が出る心配もある。グループは、こうした点も検討しながら応用の方向を探っていくという。
《朝日新聞社asahi.com 2003年02月16日より引用》