世界初のクローン羊・ドリー、6歳で安楽死
2003年02月15日
英スコットランド・エディンバラのロスリン研究所は14日、世界初のクローン羊・ドリーを安楽死させたと発表した。ウィルス性の肺がんにかかり、獣医師が回復の見込みがないと判断したと説明している。羊は通常、11~12歳まで生きるが、まだ6歳だった。
ドリーは96年7月、成長した羊から取り出した乳腺細胞を使って誕生。クローン技術で誕生した初の哺乳(ほにゅう)動物として世界に衝撃を与え、その後のクローン動物づくりの先駆けとなった。
98年にはボニーというメスの羊を産んだ。しかし、01年末ごろから、左後ろ脚に高齢の羊によく見られる関節炎の症状が出るなどして、早期老化の可能性が指摘されていた。
ロイター通信によると、生みの親のイアン・ウィルムット教授は「病気は特殊なものではない。クローンであることによる遺伝的な問題が死因だとは考えていない」と話している。今後、死体を解剖するなどして詳しい死因調査が行われる。
《朝日新聞社asahi.com 2003年02月15日より引用》