20030128

食品表示違反や残留農薬の法人罰金、最高1億円

食品衛生法改正案


2003年01月28日

  厚生労働省は、開会中の通常国会に提出する食品衛生法と関連法の改正案で、食品の表示違反に対する法人の罰金を現在の最高30万円から1億円に引き上げるなど、安全にかかわる違反の罰則を大幅に厳しくする方針を固めた。また焦点になっていた施策への消費者の意見反映も「広く国民の意見を求める」と明文化する。関係省庁と調整し、2月上旬の閣議決定を目指す。

食品衛生法の改正案は、牛海綿状脳症(BSE)や企業による食品不祥事、輸入食品の残留農薬問題などで食品安全への不信が広がる中、消費者保護を目的に検討されていた。

現在の罰則は、食品の内容や添加物などの表示基準に違反した場合は懲役6カ月以下または罰金30万円以下▽添加物の成分、残留農薬の成分・量、乳製品の衛生管理など規格基準に違反すると懲役1年以下または罰金100万円以下だった。それを改正し、法人は罰金1億円以下、個人は懲役2年以下、罰金200万円以下に大幅に引き上げる。有害食品販売(懲役3年以下、罰金300万円以下)も法人は1億円以下にする。

また、業者への行政処分は、従来の都道府県知事や指定市長による営業許可取り消しなどに加え、厚労相も輸入食品業者を直接、営業禁止・停止にできるようにする。

政策決定過程への消費者の参加は、厚労省が昨年11月に公表した改正骨子案では明文化されず、消費者団体などから批判の声が上がっていた。それにこたえ、法案は基準設定や使用できる添加物の指定、表示などについて、必要な情報を公表し、広く意見を求める内容を盛り込んだ。

併せて、と畜場法、食鳥検査法も改正し、許可のない食肉処理場などの設置や検査合格前の肉を場外に持ち出した場合の罰則を法人で罰金1億円以下、個人で懲役3年以下、罰金300万円以下とする。これまでの違反の罰則は、と畜場法=3年以下、5万円以下▽食鳥検査法=3年以下、100万円以下だった。

(01/28)

 

《朝日新聞社asahi.com 2003年01月28日より引用》

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