国内7頭目のBSE感染牛を確認 北海道・網走で飼育
2003年01月23日
北海道網走市の酪農家が飼育し、食肉処理場で解体された乳牛が牛海綿状脳症(BSE)であることが23日、わかった。厚生労働省の専門家会議(座長=品川森一・動物衛生研究所プリオン病研究センター長)が正式に確認した。国内でBSEの牛が見つかったのは19日以来で7頭目。網走市はBSE対策本部を設置した。
厚労省などによると、この牛は96年3月28日に北海道北東部の湧別町で生まれたホルスタインのメス。98年2月、網走市の酪農家に売却されたという。21日に北見市で食肉処理され、全頭検査の1次検査で陽性が出た。22日から帯広畜産大学で実施した精密な2次検査でも陽性だった。
全頭検査では、検査結果が確定するまで食肉は流通に回らず、感染牛の食肉は焼却処分される。解体前の診断では特に異常はみられず、病原体の異常プリオンの蓄積も「今までで一番軽度」(品川座長)だったという。
これまでBSEが確認された6頭の出生時期は95年12月から96年4月で、うち4頭は北海道で飼育されていた。特に3月23日から4月4日までの間には4頭が集中していた。今回の牛も、この間に生まれ、飼育地も北海道だった。
農林水産省は、今回見つかった牛と一緒に網走市の酪農家で飼われている約140頭の牛とこの牛が生まれた湧別町の酪農家で飼われている約60頭の牛の移動をそれぞれ禁止。飼育状況やえさをもとにこれまでの6頭との関連を調べる。
《朝日新聞社asahi.com 2003年01月23日より引用》